イヌ回虫症(トキソカラ症)とは何か?【子犬はこの寄生虫に注意!】

イヌ回虫症(トキソカラ症)とは
子犬を飼い始めたばかりの
飼い主には特に知ってもらいたい
寄生虫によって起こる感染です。

 

この記事では
イヌ回虫症(トキソカラ症)とは何か?
その症状や治療法だけでなく
予防法などについても紹介していきます。

イヌ回虫症(トキソカラ症)とは何か?

イヌ回虫症とは
犬に寄生する「回虫」という
お腹の虫によって引き起こされます。

トキソカラ属の回虫、
イヌ回虫、ネコ回虫、そして、
人に感染して起こる寄生虫症を総称して「トキソカラ症」といいます。

 

イヌ回虫症は
糞便中に含まれる虫卵が原因で感染します。

また、体内に幼虫が寄生している
雌犬が妊娠すると、胎盤や乳汁などを通して母子感染することもあります。

 

回虫卵は環境中での抵抗力が非常に強く、
砂や土の中に混じっても長期間生き続けることができます。

 

そんな回虫に感染すると
どんな症状が起きてしまうのでしょうか?

 

イヌ回虫症(トキソカラ症)の症状

イヌ回虫症(トキソカラ症)に
犬が感染した場合の症状は
基本的に「無」です。

つまり、
感染していても症状が現れない
「不顕性感染」の場合がほとんどです。

しかし、子犬の場合は
体に異常を及ぼすため注意が必要です。

 

子犬がイヌ回虫症(トキソカラ症)に感染した場合の症状

子犬は多数の成虫が寄生した場合、
以下のような症状が現れることがあります。

  • 元気がない
  • 食欲不振
  • 便秘や下痢
  • 発育不足
  • 体重低下
  • 貧血
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • お腹の異常なふくれ
  • 皮膚のたるみ
  • 被毛に艶がない
  • 食べ物でないものを食べる(異嗜)
  • 吐く息が甘い など

 

イヌ回虫症(トキソカラ症)に感染した場合の治療法

イヌ回虫症(トキソカラ症)に
感染した場合の治療法については
有効な抗線虫薬(駆除薬)を投与します。

 

この駆虫薬は
腸管内にいる虫体には効果があります。

しかし、
体内移行中の幼虫や虫卵には効果がありません。

 

そのため、
一般的には2週間以上の間隔をあけて、
複数回の投薬が必要とされ、
駆虫後には虫卵が排出されていないことを確認します。

 

イヌ回虫症(トキソカラ症)に感染しないための予防法

イヌ回虫症(トキソカラ症)に
感染しないための予防法は次のことが挙げられます。

  • 感染を広めないために早期治療
  • 母子感染の場合は全ての子犬に対して生後3週齢までに駆虫薬投与する
  • 一度感染した子犬は駆虫後も虫卵が排出されていないか定期的に確認する

 

人がトキソカラ症に感染するとどうなるの?

人がトキソカラ症に感染すると

  • 内臓移行型
  • 眼移行型

大きく分けてこの2つの症状が現れることがあります。

感染症状【内臓移行型】

トキソカラ症に感染すると
内臓移行型の場合は次のような症状が現れます。

  • 発熱
  • 全身の倦怠感
  • 食欲不振
  • 喘鳴
  • てんかん など

上記の症状が全てなるわけではなく、
幼虫が侵入する臓器によって症状が異なります。

 

感染症状【眼移行型】

トキソカラ症に感染すると
眼移行型の場合は次のような症状が現れます。

  • 網膜脈絡炎
  • ブドウ膜炎
  • 網膜内腫瘤
  • 硝子体混濁
  • 網膜剥離による視力・視野障害
  • 霧視(むし)
  • 飛蚊(ひぶん)症 など

 

最後に

イヌ回虫症(トキソカラ症)に
もし感染していることが分かれば
早めに駆除が必要で、
特に子犬は発育等に大きな影響を及ぼします。

 

成犬になれば感染しても
症状が出ないことが多いとされていますが、
そのまま放置しておくことは
犬だけでなく飼い主への感染も考えられるのです。

 

これ以上感染を広げないためにも
しっかりと治療を行い、
予防対策をしていくようにしましょう。

 

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