犬のでべそ(臍ヘルニア)とは何か?【わかりやすく簡単な言葉で解説】

犬にも「でべそ(臍ヘルニア)」ってあるの?

 

実は、あるんです!!

 

 

それはどんな症状なのでしょうか?
また、
なりやすい犬種などもあるのでしょうか?

 

この記事では
犬のでべそ(臍ヘルニア)について
わかりやすく簡単な言葉で解説していきます。

犬のでべそとは何か?

犬にもおへそがあります。

 

お腹のちょうど真ん中あたりで
大きさはあずき豆程度の小さなものです。

 

通常、犬のおへそは平坦で凹凸はありません。

しかし、
でべそになっている犬もいます。

 

でべそといわれる臍部の膨らみは、
大きく分けて3種類あります。

  • 瘢痕組織(はんこんそしき)
  • 臍突出症
  • 臍ヘルニア

 

瘢痕組織は
ヘその緒の名残であったり、
脂肪組織が置き換わったものだと考えられます。

 

また、
臍突出症は
穴は閉じたけれども
臍の部分が窪みきらず、膨らみが残っているものをいいます。

この二つに関しては大きな問題ではありません。

 

しかし、
「臍ヘルニア」の場合は
緊急性の高いこともありますので安易に考えてはならない病気です。

 

犬の「臍ヘルニア」とは?どんな症状?

臍ヘルニアは、
通常なら塞ぐ臍帯輪が
開いたままの状態のことを指します。

開いたままでいると
その臍帯輪の部分から
腸や脂肪組織、子宮、膀胱などが飛び出してきてしまう病気です。

 

臍ヘルニアの大きさは
くるみ大~リンゴ大までさまざまです。

もっと小さなものは自然となくなることもあります。

 

軽症の場合は触るとやわらかく、
出ているものが押して戻ったりする程度です。

 

症状が進行すると
腸や大量の脂肪組織が飛び出して大きくなります。

その後重症化してくると
腸管がヘルニア部分に入り込んで
もとに戻らなくなり腸閉塞を引き起こします。

また、
飛び出した腸が周りの筋肉に締めつけられ、
血流が悪くなってショック症状を起こすことがあるため注意が必要です。

 

犬の臍ヘルニアの原因

犬の臍ヘルニアの原因は2つに部類されます。

  • 先天性によるもの
  • 後天性によるもの

 

先天性の臍ヘルニア

臍ヘルニアの多くは
先天性によるものといわれ、
遺伝的であるため生まれつきがほとんどです。

生後6週齢ごろに
胎児の腹直筋や腹膜の欠陥、発育遅延などが原因で起こります。

 

臍ヘルニアになりやすい犬種とされているのが以下の犬種です。

  • シーズー
  • 秋田犬
  • エアデールテリア
  • ペキニーズ
  • ポインター
  • ワイマラナー
  • キャバリア
  • アメリカンコッカースパニエル
  • バセンジー など

特にメスに発生頻度が多いとされています。

 

後天性の臍ヘルニア

後天性の臍ヘルニアは、
生まれたときに臍帯を
腹壁近くで切除すると臍ヘルニアになりやすい傾向があります。

また、
今まで症状のなかった
先天性臍ヘルニアの犬が、
成長の過程で肥満や妊娠、外傷といった
腹圧上昇の要因によって発症することもあるそうです。

 

犬の臍ヘルニアの治療

臍ヘルニアが小さいものは、
生後1ヶ月の間に自然治癒することがあります。

長くかかる子犬で
生後6~8ヶ月までに自然治癒することも少なくありません。

小さい臍ヘルニアであれば
6ヶ月以上経過を観察し、
治癒しない場合には一度動物病院で診察を受けましょう。

 

しかし、
臍ヘルニアが元々大きかったり、
だんだん大きくなるようであれば早めに獣医師に見せましょう。

臍ヘルニアの多くが
無処置でも問題ありませんが、
重症化に発展する恐れのある臍ヘルニアには外科手術が必要となります。

 

犬の臍ヘルニアの手術

犬の臍ヘルニアの手術は、
ヘルニアの部位を切開し、
突出している脂肪や臓器などを
お腹の中に戻してから腹膜を縫合する手術を行います。

 

通常は1泊程度の入院で、
その後抜糸の為に1度来院します。

通院もなく、再発の恐れもありません。

ヘルニアの手術費用は
およそ2~4万円程度が相場だとされています。

 

しかしすでに症状が進み、
危険な状態にある場合の手術は
入院期間や手術費用はもっとかかり、
命の危険さえあることを忘れないでください。

 

まとめ

犬の臍ヘルニアは
「でべそ」と呼ばれることもありますが、
でべそ=臍ヘルニアという解釈は間違っています。

 

単なるでべそであれば
私生活を問題なく過ごせますが、
臍ヘルニアのが重症化すると
死に至ることもある恐ろしい病気です。

 

あなたの愛犬がでべそなのか、
臍ヘルニアなのか、
飼い主では判断できないこともありますで
安心するためにも一度は動物病院へ受診しましょう。

 

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